多様化するショッピングセンターの形態

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小売店や飲食店、美容院から旅行代理店まで様々なショップが入居し、来店する人々をいつも華やかに迎えてくれるショッピングセンター。

一般的にはショッピングセンターと聞くと「店舗数の多い大規模な商業施設」と一括りにされがちですが、実はその中にも様々な種類が存在することはあまり知られていません。

そもそもショッピングセンターの定義は、一般社団法人日本ショッピングセンター協会 によれば「一つの単位として計画・開発・所有・管理運営される商業、サービスの集合体で、駐車場を備えるもの」となっています。しかし、そのどれもが画一的なわけではなく、規模や形態によってタイプ別に分類することができるのです。

具体的にどのようなタイプがあるのか、詳しく見ていきましょう。

【規模ごとの分類】

リージョナル型ショッピングセンター

→店舗面積4万㎡以上、半径8~25㎞の広域を商圏とする大型ショッピングセンターで、通称「RSC」と呼ばれる。総合スーパーや百貨店などが核となり、専門店・飲食店・映画館・アミューズメント施設などが入った大規模な施設であることが多い。近年では、店舗面積が10万㎡を超える超大型SC(スーパーリージョナルSC)も登場している。

コミュニティ型ショッピングセンター

→店舗面積がおよそ1万~3万5千㎡、半径5~10㎞を商圏とする中規模ショッピングセンターで、通称は「CSC」。総合スーパーやディスカウントショップなどが核となった施設で、そのほかは専門店や飲食店などが入居する。最近は中規模型の「CSC」を改装やリニューアルして、大規模商業施設(RSC)に拡張する動きも多い。                                                                                                                                                                               

ネイバーフッド型ショッピングセンター

→店舗面積が約3千~1万5千㎡、半径5㎞程度の小型ショッピングセンターで、略称は「NSC」。ホームセンターやスーパーなどを中心に実用的な専門店が入居していることから、生活用品を揃えるのに最適な商業施設と言われる。そのため商圏は比較的狭いものの、顧客の来店頻度が高いのが特徴。

【地域別の分類】

郊外型ショッピングセンター

→中心街から離れた場所(いわゆる郊外)に立地するショッピングセンター。広大な敷地面積を確保することが可能であり駐車スペースも十分にあることから、周辺地域から多くの人が訪れやすい。アクセスの良さが集客のカギを握るため、広範囲からアクセスしやすい地域や高速道路のインターチェンジ付近などにあることが多い。

最寄り駅から離れている場合には、路線バスや無料送迎バスが出ているケースもある。

都市型ショッピングセンター

→街の中心市街地に立地するショッピングセンター。郊外型が自動車での来店がメインになるのに対し、都市型では電車やバス利用の来客をメインにしている。土地の制約により小~中規模型が中心ではあるものの、地域の再開発や工場跡地開発などで大規模SCが誕生する場合もある。

【建物の形態による分類】

エンクローズドモール型

→施設全体が大きな建物となっており、その中に複数の専門店や飲食店などが入っているSC。吹き抜けや見通しのよい通路など空間を工夫することによって圧迫感を減らしているのが特徴。モール型SCと表現されることもある。

オープンモール型

広大な敷地の中に店舗が独立して建設されているのが特徴。目的のショップまでたどり着きやすい、目の前が駐車場で歩行距離が短い、といったメリットがある。

このように一口でショッピングセンターと言っても、規模・立地・形態などによってそのタイプは様々。時代の変化や消費者のニーズに応じて、形態を変化させていくショッピングセンターも少なくなく、商業施設のあり方は世相を反映する鏡である、と表現できるかもしれません。