コロナ禍においてテナントがSCに伝えたい本音と要望

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2020年から続くコロナ禍でSC業界は厳しい状況が強いられていますが、この難局を乗り越えるためにはSCとテナントの協力体制が欠かせません。SCが生き残っていくためには、今何が必要とされているのでしょうか?

今回はテナントの目線に着目し、その本音や要望から見えるSCとテナントの在り方を探ります。

コロナ禍では、緊急事態宣言や外出自粛の煽りを受けて来店客数が大幅に減少する中、テナントに対して最低保証賃料の全額免除や部分的な減免を行ったSCも少なくありません。

とはいえ「このまま売り上げが落ち込んだら、いつ撤退に追い込まれてもおかしくない」「こんな状況下で引き続きSC内で営業できるのだろうか?」という不安を抱えているテナントは数知れず…。

またいつコロナが収束するのか、いつまでこの状態が続くのか、といった点もテナントにとっては死活問題。先行きの不透明さが、テナントの営業活動に暗い影を落としていることは紛れもない事実です。

こうした中でテナントがSCに対して求めることは、

・SC全体でのビジョンや計画をテナントに示す

・SCそのもののブランド力を高める

・来店することで得られる付加価値を顧客に伝える

といった成長戦略の明示と顧客との接点設計。

SCには「テナントと共存しながら生き残り続けるための明確な指針」と「顧客を呼び戻すための手腕」が問われています。

またこれまでSCに入居するテナントには、安定した集客や保守管理の手間が省けるといったメリットがありましたが、コロナ禍では「リアル店舗では集客できない」「賃料の負担が重い」「営業の継続が保証されない」などのデメリットが強調されがちです。

そのためコロナをきっかけに、

・リアル店舗からオンラインショップへの切り替えを考えている

・SCよりも路面の独立店舗のほうがショップの色を出しやすいと感じた

・郊外のLCC型商業施設にシフトすることを検討している

といったシフトチェンジをするテナントも多くなっています。

こうした状況を見ても「売り上げの低いテナントをすぐに撤退させ頻繁に新陳代謝をはかること」「高額な賃料やペナルティの要求」「売上金の預かりシステム」といった、従来のSCモデルを再考する時期に来ていることは間違いないでしょう。 再考するにあたっては「アフターコロナを見据えたネクストビジョンの共有」と「テナントとSCのサスティナブルな関係構築」によるWin-Winな仕組み作りが、何より重 要なポイントとなることは言うまでもありません。