SCとは異なる百貨店のビジネスモデル

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よく混同されがちなSCと百貨店ですが、実はビジネスモデルから大きく違っているのを知っていますか?

一見同じように見えるこの両者、ここではSCと百貨店のビジネスモデルの違いについて見ていきます。

まず出店形態についてです。

通常SCの出店スタイルは「賃貸借契約」の形が取られ、百貨店の出店スタイルは「消化仕入れ契約」の形が取られます。賃貸借契約は不動産の大家さんと借主の関係のようなもので、一定の賃料を払うことで契約が成立するものです。SCの場合には定期借地権といった賃貸借契約を結ぶことが一般的で、事前に契約期間を決め、契約期間満了時にSC側に返還するという流れとなります。もし契約を延長する場合には新たな定期借地権を結ぶこととなります(定期借地権は自動更新とはなりません)。

一方百貨店における消化仕入れ契約とは、あまり馴染みがないかもしれませんが、百貨店の店頭に置いた商品が売れた時点をもって商品を仕入れ計上される取引形態のことです。消化仕入れは店側からすると過剰に在庫を抱えなくて済み、販売リスクを低く抑えることができるものの、その分販売利益率は買取仕入れに比べると低くなってしまいます。

次に店舗運営についてです。

SCの場合には、契約の範囲内という制限はあるものの、基本的には店舗側の判断で売り場設計や商品の選定、販売方法を決めることが出来ます。スタッフの手配についてはSCの力を借りず自前で行う必要があります。また内装にかかる費用は共有部分を除き店舗側の全額負担となるのが通例です。

一方百貨店の場合は、百貨店側が決定した方針に則り、売り場設計や陳列商品の決定、販売を行わなければなりませんので自由度が低くなります。精算は店舗ごとではなくフロアに設置されたレジで処理されるのが一般的です。スタッフの手配については、店舗によっては百貨店の従業員が委託販売を行うといったケースもあります。また内装にかかる費用は店舗と百貨店側にて協議・負担割合の決定が行われます。

言われてみれば「なるほど、そういうことだったのか」と、新たに気づかされた人も多かったのではないでしょうか?普段あまり知ることのないSCと百貨店の違いですが、こうして改めてみると真逆の展開が行われていることがわかりますね。