特別企画 「SCのアプリ戦略 ハウス型ペイメントの活用」について 第2弾

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商業施設でのアプリ活用について、施設の担当者へインタビューをさせていただき、効果や課題点、これからの展望をお伺いする特別企画。

第2弾は 秋葉原UDX の松下様に AKIBA_ICHI アプリについてお伺いいたしました。

Q1.  

施設の特徴と事業領域について教えてください。

秋葉原UDXは、オフィス、商業施設、イベントホール、シアター、カンファレンス等を併設した延床面積約16万㎡の大型複合施設です。2006年に開業してから、街のシンボルとして多くの人たちに親しまれています。私は秋葉原UDXレストラン&ショップ AKIBA_ICHIの運営管理と秋葉原UDXを基点としたエリアマネジメントを担当しています。

Q2.  

日本のオフィスビルで初めてハウス型ペイメントを導入され、他企業が視察に訪れるなど、注目を浴びていらっしゃいます。導入に至った経緯を教えてください。 

秋葉原UDXには、約1万人の方々が5階~22階のオフィスで働かれています。この方々をメインターゲットに、クーポン、プレミアム商品券、ポイントカード等、就業者限定の特別優待を実施しています。この優待の裏側では、年間33万枚を超える紙クーポンや紙金券を手作業で数え精算処理をするというアナログな作業が発生していました。指紋がなくなるような作業ボリュームです笑。運営サイドの過多な負荷を強いる施策に限界を感じ、デジタル化の検討をスタートさせました。また、このアナログ・紙運用は「いつどのような方々が利用したのか」といった情報は取得できませんので、マーケティングにいかすことができないという問題点もありました。

【過去運用していた紙のクーポン】
指紋がすり減るほどの手作業が発生していた。(松下様談

デジタル化を検討するにあたり予算の壁がありました。全ての費用支出は、販売促進費が原資となり、スクラッチ開発する費用などは到底捻出できません。予算に限りがある中で、①セキュリティなどの安全性が担保できること②現在抱えている問題を解決できること(業務効率化、顧客データ活用)③オフィスワーカーの満足度向上に寄与するサービスであること、の3点を前提にサービス選定を進めました。

 オフィスワーカーには、常に携帯している社員証のようにアプリを開いていただきたいという思いがあり、導入後いかに利用定着を図るかも重要なポイントでした。当時、たまたま航空会社のDXの取り組みについて話を聞く機会があり「飛行機搭乗者への事前クーポン配信は効果的だった」という情報を耳にしました。「必ず訪れる人に対して配信するクーポンや情報は認知されやすく、利用率が高い」という仮説が思い浮かびました。

必ず訪れるオフィスワーカーに、必ず通る動線を用意することで利用定着に繋がると考えました。決済は購買の中で必ず通る動作であり、オフィスワーカー×ハウス型ペイメントは、粘着性を高めるうえで有効な手法だと確信しました。

このような課題を解決できるサービスがドットペイでした。

Q3.  

アプリの仕様策定に関して、注力した点、こだわった点などをお教えください。

予算に限りのある中でスタートしたため、テンプレートアプリから一切手を加えていません。今後、本当に必要な機能を見極めてカスタマイズをしていく予定です。一方、ドットペイはリテールの経験豊富な東急社と国内最大のキャッシュレス決済総合プラットフォームCAFISの運用実績を持つNTTデータ社が開発した堅牢なサービスであると認識しています。導入検討時は、スマートフォン決済不正利用のニュースが多発していましたので、安心・安全なサービスが提供できるか否かは、非常に重視した点です。  業務効率化という観点では、標準機能として既に導入済みの売上管理システムmallproとの連携が可能という点は優位性が高いと感じました。

Q4.  

アプリの運用の現在の体制を教えてください。

テナントスタッフのサポート窓口を東急カードに委託しています。

販促企画やポイント付与作業等は社内スタッフ2名で担当しています。

Q5.  

「.pay」「テンプレートアプリ」を導入して1カ月以上が経過しましたが、変化したことやプラスになったことを教えてください。 またテナント様の活用状況や、有効的な活用事例はありますか?

現在、どのような施策が効果的かを実証実験している段階にあり、告知方法やクーポン配信頻度、種類など検証中です。オフィス企業別に企業コードを配布して会員登録をしていただいているため、企業別の会員比率や利用率が明確になりました。防災センターや店舗従業員等、施設に係るスタッフまで対象を広げ利用データを分析・活用していく予定です。

【 AKIBA_ICHIアプリクーポン】
管理画面で簡単に配信でき、誰がどこで使われたかが追跡可能。
 

Q6.  

今後、AKIBA_ICHIアプリを活用した施策やアプリ自体のさらなる発展計画などあれば教えてください。

便利で快適なオフィスワークに必要な機能の追加、豊かなワークスタイルに欠かせないサプライズやエンターテイメント要素の取込み、展開を考えています。必要機能と付加価値機能を搭載させた、利用者にとってなくてはならない存在へと進化させるのが短期的な目標です。長期的には、オフィスを起点にアセット間におけるアップセル・クロスセルを図ることができる仕組みづくりができると面白いと思っています。