ウェアラブルデバイスによる生体データの活用事例について

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生体データは、人体に起こった様々な事象をデータ化したものです。このような生体データにはさまざまなものがあり、心拍数やストレス状況、眠気なども数値化し、人体の変化を察知した上で病気やケガの防止に役立てることが可能となります。こうして収集するデータを活用して新たな商品開発に取り組む企業も多く存在しています。

そんな中、最近注目を集めているのがウェアラブルデバイス。ウェアラブルデバイスとは、体に装着することによって次回に身体の状況、呼吸数や心拍数などを感知し、データ収集するものです。

たとえば、2016年創業のフューチャーインク株式会社では、シートセンサー「Vital Beats」を開発。介護施設などで使用する商品で、ベッドマットレス等の下に敷いて使用。就寝時の心拍数や心臓の音、呼吸、体の動きなどの生体データが収集可能。マットレス越しにもかかわらず測定可能な高い精度を持つ商品となっています。2020年より介護施設向けのソフトウェア関連企業と共同で全国展開に力を入れています。

また、Apple Watchのヘルスアプリもウェアラブルデバイスとして機能します。こちらは人命を救うことが可能なほどの高性能を誇るものとなっており、Apple Watchを身に付けた男性が転倒し意識を失った際、衝撃を検知したことでアラートを出し続けたものの、持ち主の男性からの反応がなかったことから、位置情報を救急に通報一命をとりとめたということがあったという事例も報告されています。その際には緊急連絡先に登録されている家族への連絡(位置情報をメールにて報告)が行える機能もあったようです。

ほかにも、格安航空会社のPeachと下着メーカーワコールが共同開発した「働く女性向けウェアラブルプロジェクト」では、ウェアラブルブラジャー「iBRA」を開発。実際にキャビンアテンダントに着用してもらい、どのようなアクションを取った際にストレスが溜まるのかを計測するといった試みも行われるなど、生体データを用いた商品開発、機能の高精度化に向けた実験・検証が行われる機会は増えているようです。

昨今は、高速・大容量のデータを送ることができる5G回線環境が整備されつつあり、生体データ収集も以前に比べて取りやすく即時送受信を可能にしています。またAI技術の発達が進んだ現在では、生体反応を感知し自動車運転ができなくなった状態に陥ったと判断された場合に、AIによる自動運転に切り替わったりもできるようです。

具体的に実用化されるサービスとして一般化されることで、我々の生活がより安全に、より健全になるのであればぜひ活用していきたいツールと言えるかもしれませんね。