日本人の幸福度が世界ランキングで「56位」に低迷する理由
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毎年3月20日は国際幸福デーとなっており、国連がこの日に「世界幸福度ランキング(URL: https://worldhappiness.report/)」を発表しています。
今回で9回目となる2021年の世界幸福度ランキングが発表されましたが日本の順位は56位(対象国149か国中)、ここ数年で50位~60位前後を行き来しており、お世辞にも順位が高いとは言えない現状を露呈してします。
ちなみにランキング上位国を見ていくと、1位がフィンランド、2位デンマーク、3位スイス、4位アイスランド、5位オランダとなっており、北欧の国々が並んでいます。
この世界幸福度ランキングは、
- 人口当たりGDP
- 社会的支援
- 健康寿命
- 人生の選択自由度
- 寛容さ(チャリティーなどへの参加)
- 腐敗の認識(不満、政府の腐敗など)
といった6つの項目を元に決められていますが、幸福度が上位の国々では人生の選択自由度や寛容さといった部分にて高い満足度が得られているのに対し、日本は健康寿命が高いものの、人生の選択自由度と寛容さが著しく低くなっているのです。
客観的に見て幸福度が高そうな日本ではありますが、このように低迷している理由はどこにあるのでしょうか?
人生の選択自由度の低下においては、日本では依然として収入や性別などの差から学業や就業における制限が存在していますし、有給休暇取得率は50%程度と他国に比べても非常に低いという結果が物語っています。
また、寛容さの低下においては、日本におけるボランティアやチャリティーへの参加の低さといった課題があります。
内閣府が発表している「満足度・生活の質に関する調査」の調査ポイントにおいて
- 女性の方が満足度の割合が高い
- 健康状態が良ければ満足度が高く、悪ければ満足度は下がる
- ボランティア活動に参加する頻度が高ければ満足度が上がる
- 趣味や生きがいがあるほど満足度が上がる
といった具合に、幸福度や満足度が高まるためのポイントは今の日本における社会環境や国民性が大きく影響していると思われますので、短期間で劇的に改善するというのは難しいと言わざるを得ません。
しかしながら、幸福度が高い国の社会政策など、見習うべきところは多々あります。
ストレスのない社会を創っていくために必要なものは、「人とのつながり」や「自分自身で人生を選択できること」。
我々一人一人がこれらを意識しながら改善に向けて動いていくことが幸福度の向上につながっていくことでしょう。