D2CブランドとSC・百貨店が協業した新たな小売りモデル

NEWS

最近よく耳にする「D2C」という言葉。

D2Cとは「Direct to Consumer」の略であり、消費者に直接商品を届ける形態のことを表します。D2Cでは流通業者や小売店を通さないため、メーカー(あるいは個人の作り手)が独自に企画~製造、販売までを行えるのが特徴。売り手が顧客と直接繋がることで、ブランド価値や顧客との接点を高めることができるほか、ポリシー(哲学)に基づくこだわりの商品づくりができると近年注目されるビジネス手法の1つです。

そんなD2C手法を採用するD2Cブランドでは、SCや百貨店などと協業して新たな小売りモデルを構築すると取り組みも始まっています。

都内にある某大手百貨店では、ミレニアル世代(1980年代~1990年代中盤に生まれた世代)やZ世代(1990年代中盤~2012年頃に生まれた世代)から支持を集めるD2Cブランドとともに新たな小売りモデルを創出。同世代の関心が多く寄せられる社会課題をテーマに寄り添う商品やブランドを中心とした売り場作りを行うとともに、商品に込められた想いをリアル店舗だけでなくオンライン上でも発信することで、顧客とブランドのマッチングを図ることが期待されています。

キャッシュレス決済・WEBカタログ・新たな価値体験など、ミレニアル世代やZ世代に合わせた最新技術が駆使され、近未来のストアを体感したり、関心のある商品の開発背景や社会問題への理解を深めたりすることもできるようになります。

また店舗の商品はECサイト上でも購入ができ、遠方に住んでいる人や来店が難しい消費者でも気軽にショッピングが楽しめるのもメリットと言えるでしょう。スタッフと接触せずとも商品の購入ができる点やオンラインでも商品が購入できる点は、ソーシャルディスタンスが重視されるコロナ禍のショッピングにおいても有効なシステムです。

さらに販促や陳列、販売などについては、SCや百貨店が代行することで店舗側の負担を最小限に抑えられます。加えてAIカメラなどを活用したマーケティングや商品企画などを行い、商品改良やサービス向上に活かすことで、ショップそのものやSCへの来店者数の増加が期待できるだけでなく、企業の社会貢献をアピールすることにも繋がります。

こうしたD2CブランドとSCの協業プロジェクトは、日本ではまだ始まったばかり。驚くべきコラボレーションや企画が今後「SC業界」「ショップ」「消費者」の間でどのような化学変化をもたらすのか目が離せません。