日本や中国の事例から考えるデジタル事情の最前線
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昨今、日本ではスマホアプリでのショッピング、電子マネーでの支払いなど急速にデジタル化が浸透しつつあります。特にコロナ禍においては、アプリから簡単に注文ができる食事のデリバリーサービスやお持ち帰り予約サービス、オンラインショッピングなども頻繁に利用されるようになったことから、デジタルの存在はもはや私たちの生活になくてはならない存在となっています。
このデジタル化の流れは中国においても同様で、出前や宅配の総合サイトとして有名なウーバーイーツや、自転車シェアリングなどのアプリをスマートフォンにダウンロードするユーザーも増えてきています。また最近では、保険会社による「無料問診アプリ」が登場、症状を伝えることによって医師から返信をもらったり医療機関のレビューが確認できたりする機能が大ヒット。「病院の当たり外れが激しい」「数か月先まで病院の予約が取れない」といった中国人ユーザーの心を見事に捉え、瞬く間に普及しました。
こうしたデジタル化による企業側のメリットは、ユーザーの行動履歴や生活データを把握できること。つまりユーザーの行動データを分析し、サービスの開発・向上に活用することができれば市場競争を勝ち抜ける可能性が高まるというわけです。たとえば先述した中国の「無料問診アプリ」では、ユーザーの行動や健康データを得てタイムリーに保険営業をかけることで、新規顧客の獲得に成功しています。
オンラインの普及によってユーザーのリアルをデジタルに繋げられるようになれば、行動データをもとに「ユーザーに合わせたコンテンツの提供」が出来るようになるほか、他ユーザーとの「活動やレビューのシェア」を通して体験そのものに価値を感じてもらうことも可能となります。
日本の場合、中国と比べるとまだ「デジタルは付加価値的扱い」「導入の必要性は分かっているものの後回し」となっている現状が少なくありません。とはいえ、すでに世界的潮流は「リアルベースのサービス提供」から「行動データを基にしたソリューションの提供」へとシフトしており、デジタルを活用して顧客の悩みや状況に寄り添い、新たな価値を提供していくことこそが企業の生き残る道と言えそうです。