【キーパーソン対談】SCのミライ ~森ビル株式会社 執行役員 荒川信雄氏 × 株式会社イースト 代表取締役 長島秀晃氏
NEWS
マイナスをプラスに変える発想
有吉 「ラフォーレ原宿」「虎ノ門ヒルズエリア」に対する荒川さんのお考えについて、改めてお聞かせください。
荒川氏 「ラフォーレ原宿」は、「アークヒルズ」以外に商業ゾーンをつくってみようという実験的なプロジェクトでした。
「ファッションの専門店」というテーマで、新進のメーカーを応援し、チャンスを与える施設にしよう、と。
いわゆるファッションメーカーとの取組みです。
有吉 2018年に「ラフォーレ原宿」が40周年を迎えたとき、改めてコンセプトを見直されましたね。
荒川氏 ファッションを愛する人と最優先に仕事をしよう、新しい人を見いだしてその人の成長を楽しみにしていこう、と『ファッション・ラバーズファースト』というコンセプトを打ち出しました。
この私たちの行動指針を表しているコンセプトはずっと大切にしていきたいですね。
長島氏 「虎ノ門ヒルズエリア」についてはいかがですか。
荒川氏 「虎ノ門ヒルズエリア」は森ビルの創業の地でもありますが、実は私の父がここで森ビル最初の物件『第2森ビル』の現場監督をしていたんですよ。
長島氏 えっ、そうだったんですか!?知りませんでした。
荒川氏 最近まで、秘密にしていました(笑)。
そういう運命的なものもありましたから、「虎ノ門ヒルズエリア」は自分も一生懸命に取り組もうと誓いました。
そこでオープンに向けて注力した新たな提案として「虎ノ門横丁」があります。出店者の皆さまが交流し、同時に次世代の経営者を育てていくインキュベーションも意識しています。
お客さまへも、店舗を回遊する『はしご』スタイルを提案し、お店の皆さまとの交流や食を通じて笑顔になれるようなコミュニケーションスタイルを提案します。
ほんと、うちのスタッフは力を発揮してくれました。長島さんにもいろいろ相談させていただきましたね。
長島氏 荒川さんは、あえて高いハードルを設定して、そこを乗り越えていかれるところがすごいと思っています。リーシングは特にそうですね。
荒川氏 「ラフォーレ原宿」の社員にもよく言っているのですが、最初から100を目指しても60か70にしかならないから、目指すなら120から考えてみようと。そうすれば目標数値に近づけますから。そういう高いところにボールを投げるのは、当社のカルチャーかもしれませんね。
長島氏 社員の皆さんがそのボールにくらいついていくのが、すごいと思います。
荒川氏 マイナスをプラスに変える発想が必要です。
例えば「ヴィーナスフォート」では、都心の福袋には勝てないので、話題づくりや、ユニークな企画で勝負するために、世界一早い福袋をやろうと。1月1日午前0時にお店を開けたりしました。
長島氏 お台場ってアクセス至便ではないですし、夜中にお店もやっていません。そういうマイナスの中で、あえてそのような取組みをやるというのがすごいですよ。
有吉 遊び心ですね。
荒川氏 おかげさまでお客さまが集まって、売上げ目標も達成できました。
終わった後は、みんなでカラオケボックスでした!