DXの具体的な取り組み -AIチャットボット-

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時代が大きな転換期を迎えている今、SCはどのような未来を目指そうとしているのでしょうか。このシリーズでは、SC業界のキーパーソンをゲストに迎え、その想いやビジョンを伺っていきます。

  今回は、SC業界内で常に新たな取り組みに目を向け、生活者の視点でのまちづくりを重視される、サッポロ不動産開発株式会社 土屋弘子氏(以下、土屋 氏)に、 ユーザーズVOICE として「DXの具体的な取り組み」についてのインタビューをお届けします。

インタビューゲスト: サッポロ不動産開発株式会社 土屋 氏
インタビュアー:SCネットワーク チーフエディター 池田

 

はじめに業務内容や役割、お仕事について簡単にご紹介お願いします。

土屋 氏  元々不動産業に携わっていまして、2008年にサッポロビールに入社し、恵比寿ガーデンプレイス株式会社(現在のサッポロ不動産開発株式会社 )に出向する形で恵比寿ガーデンプレイスの管理運営を行ってきました。
 商業店舗の営業窓口から始まり、商業リーシングからオフィステナントの契約窓口など、現場の業務を担ってきました。

 施設運営の現場を離れてからは、恵比寿の地域コミュニティ活動や不動産開発といった恵比寿のまちづくりを行う部署に配属。1年ほど前から、現在のエリアリレーション部に移りました。

  部署のミッションは、恵比寿エリア全体の価値を最大化することを目指しています。
 私の方では、生活者の方と共創出来るようなコンテンツの企画や発信、恵比寿ガーデンプレイスの共用環境の改善に取り組んでいます。

池田  ありがとうございます。業務領域がかなり幅広く、驚きました。
 エリアの価値向上を図ること自体は、やはり不動産の本質なのかなと思いましたので、大変な業務に携わられているなと改めて感じました。

 

お客様(お買い物される方)が「商業施設に求めること」が変化していっているように思いますが、現在または今後施設に求められることに対しての考えをお聞かせください。

土屋 氏   恵比寿ガーデンプレイスは、 サッポロビールの工場移転に伴う再開発により1994年に開業しました。施設内にはサッポログループが本社を構えるなど、グループの重要な拠点の一つとなっています。

 経営理念「まちや社会とともに、『豊かな時間』と『豊かな空間』を創り、育む」の実現のため、地域に根ざした「まちづくり」と「笑顔づくり」をモットーにまちに住む人、働く人、訪れる人が楽しみ、憩う魅力的なまちづくりに取り組んでいます。

 お客様が商業施設に求めることも年々変化している中、その土地で事業を展開する地域社会の一員として地域の個をつなぎ、コミュニケーションを通じてまちの皆様との繋がりを深める取り組みを始めています。

 2020年7月に恵比寿エリアの地域SNSアプリ「ピアッザ」を開設、8月にはガーデンプレイス内のサッポロ広場に、コミュニティファーム「YEBISU GARDEN FARM」をオープンしました。
 お客様は、ただショッピングを楽しむだけでなく、恵比寿ガーデンプレイスでしか味わえない体験を期待してくださっているように感じます。生活者と共に新しい体験スタイルを共に創ることをテーマに掲げていますね。

 当社の場合、新しい施設の開発を頻繁に行う動きは少なく、もともと所有している施設を中心に、お客様の期待や求める声を重視して新しいサービスや挑戦をしていこう、といった風土があります。

 その中で今回、AIチャットボットの導入のタイミングが合った経緯もありますね。

 

今回、イーストのサービスであるAIチャットボット「ボティア」を御導入頂いた経緯をお聞かせいただけますか?

※AIチャットボット「ボティア」

土屋 氏  恵比寿ガーデンプレイスは、オフィスタワー、商業施設、ウェスティンホテル、東京都写真美術館などで構成される複合商業施設です。
 インフォメーションは施設の顔でもありますので、お客様からいつでも気軽に問合せして頂けるようにしていきたいと思っていました。

 

また、今後のニューノーマルな時代を考慮すると、非対面での対応も必要になると考え、デジタルを活用したいと考えていました。
 そんな時にインフォメーション業務を委託していた、イーストさんからAIチャットボットをご紹介頂いたのが始まりです。

 

チャットボットサービス自体は、数多くあると思いますが「ボティア」を選定頂いたのは、どのような理由からでしょうか?

土屋 氏   やはり、インフォメーション業務に精通しているイーストさんが作るチャットボットは、お客様の知りたい情報をきちんと理解した上で、回答できるような設計にしてくれる点が一番の理由です。

 実際に現場でお客様対応にあたってくださっているインフォメーションのノウハウが詰まったチャットボットには、とても魅力を感じました。

 もちろん数社と比較をしたのですが、機能面の差ではなく、FAQの作成や更新・問い合わせ対応といった管理運営面でイーストさんからの提案が優れていました。
 既にイーストさんには、当施設のインフォメーションをお願いしているため、FAQ対応のノウハウをお持ちというところも心強かったです。

 

10月に導入して頂いてから、3か月が過ぎました。
稼働状況含め、導入してみていかがでしょうか?
現状の効果や今後期待することを率直にお聞かせいただければと思います。

土屋 氏   AIチャットボットは、24時間問い合わせをすることが出来るため、例えばカウンタークローズ後だけでなく、施設クローズ後の深夜帯にまで、お問い合わせをいただくことができるので、これまでは難しかった営業時間後にサービスが提供できていることを実感しております。
 お客様の都合に合わせていつでも情報を得ることが出来るという点が、最大のメリットですね。

 また、お客様が携帯するスマートフォン等から利用することで、恵比寿ガーデンプレイスに滞在時にも検索することも出来、利便性が向上したと感じています。

 今後期待することとしては、AIが賢くなるまで、時間が必要なことは理解していますので、お客様からの質問を分析して、今はまだ答えられない質問に対してもしっかり回答できるように取り組んでいきたいと思います。

 

今回のチャットボットの導入は、あくまでDXの事例の一つだと考えておりますが、その他貴社グループで課題となっていること、今後向かうべき方向性を教えていただけますか?

土屋 氏   当社では、新たに経営ビジョン「ひとから、まちを、はぐくむ。」を策定し、重点戦略エリアの一つとして、恵比寿でのまちづくりを進めています。

 人々のライフスタイルの多様化が進み、従来の飲食や物販中心の商業では「施設全体の価値を上げることは難しい」と考えています。
 商業施設の在り方も変わっている中、恵比寿ガーデンプレイスは2024年の30周年を迎えるにあたり、当施設ならではの価値を提供していくことが課題だと捉えています。

  コロナが契機となり今後は、リモートでの接客も徐々に増えていくことが予想されます。リアルの場でもオンラインを活用したコミュニケーションをどのように提供していくかといったことも、今後、商業施設のキーワードになりそうですね。
 今後は、人にしかできないこと、デジタルでも提供できることを、今後はしっかりと判断していく必要があると思っています。

  前例のないことにチャレンジするためには、様々なパワーが求められます。しかし、私は、出来ないことよりも、出来るようにするためには何が必要なのかを考えていきたいと思っています。その際には、新しいサービスや技術の情報収集も大切にしていきたいです。
 そして、多くの方に恵比寿のファンになっていけるようなまちづくりに貢献していきたいと思っています。

池田  本日は貴重なお話しを聞かせていただき、ありがとうございました。

インタビューゲスト: サッポロ不動産開発株式会社 恵比寿事業本部 エリアリレーション部 課長 土屋弘子 氏
インタビュアー:株式会社イースト 事業創造部 池田
SCネットワーク 企画管理:株式会社イースト 事業創造部 有吉