セールは本当に効果的な戦略と言えるのか?

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年末から年明けにかけて、新春初売りセールや冬のセールが行われているのを見かけます。 

ここ最近セールの数が増えているのか、頻繁に「SALE」と書かれたディスプレイを見かけるようになり、いつ買うとお得なのか、非常にわかりにくくなっていることを感じませんか? 

これまで一般的なセール時期は夏と冬の2回が主流でした。これは百貨店などの店舗がお客様のボーナス時期に合わせて、売れ残り商品などを安く提供するといった意味合いで展開されていたものでした。 

しかし最近は消費の低迷や低価格商品の増加により、通常時もセール品と大差ない価格で購入できてしまいますし、さらにECサイトで購入する場合も流通コストを下げられることから低価格で購入できるので、以前と比べてセールの恩恵を受けなくなってきています。 

そのような背景もあってか、売上減少に陥った百貨店や商業施設は従来のセール時期より早い段階でセールを開始し、顧客の獲得に必死となっています。
さらに夏や冬のセールの他にも「クリアランスセール」や「決算前セール」などといったセールも誕生し、リーズナブルに商品を購入できる環境は構築されているものの、消費低迷に歯止めがかからないのが現状です。 

ビジネスにおいて「値下げ」戦略は最終手段であり、一定の成果は出たとしても、その効果は限定的なものとなりがちです。
そのためセール品だけを目当てに店舗に来てもらうのではなく、通常価格で展開されるラインナップにも目を向けてもらわなければ、販売戦略としては良いものとは言えません。 

またセール商品を求める顧客層は、通常は変えない商品だからこそここぞというばかりにセールを狙ってその店の商品を購入しようと考えます。
つまり、従来購入している顧客層とは大きく異なっているわけです。 

加えて本来セールをしないような店舗がセールを開始することにより、ブランドイメージを損ねる可能性もあります。 

以上のようなことから、既存顧客がセール目的の顧客および店員への不満が噴出し他店へ流出してしまわないよう、きちんと対策しておく必要があることを忘れないようにしておきましょう。