商業施設におけるBGMの効果

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ほとんどの商業施設では必ずと言っていいほどBGMが流れています。その曲の種類もさまざまで、邦楽や洋楽は今流行りのものから懐メロまで、その他にもクラシック音楽やサウンドエフェクトなど、店舗ごとに異なる音楽を耳にすることは多いのではないでしょうか。

このBGMによる音響効果、店舗に様々な影響をもたらしていることはご存じでしたか?

音響がもたらす効果には

・イメージ効果

・マスキング効果

といったものがあります。

最初の「イメージ効果」とは、店舗イメージを決定するBGMを流すことで、店の雰囲気を演出します。たとえば「高級感を出したい」、「子供が楽しめる空間を演出したい」、「落ち着いて買い物を楽しみたい」といった店のコンセプトに基づき、店内BGMが決定されます。この選定に失敗するとお客様の居心地が悪くなってしまうため、店側としては店舗に調和したBGM選びが重要です。

次の「マスキング効果」ですが、商業施設では人の話し声やモノがぶつかる音、インフォメーションなど、思っている以上に雑音が飛び交っています。その音を覆い隠してくれる(マスキング)のがBGMの存在です。店員やお客様同士の聞かれたくない会話などをカモフラージュする効果があります。

その他にもお客様を長く滞在させたい場合にかけるBGM、回転を早めたい場合にかけるBGMなど、曲のテンポを変えることによって店舗に訪れた人々の感情をコントロールすることを可能にしています。

たとえば飲食店の場合、スロー店舗のBGMをかけるとお客様がまったりとしてしまい滞在時間が長くなってしまいがちです。ランチ時間など時間帯によっては回転率を高めたい、ということもあるでしょう。その際にはアップテンポのBGMを流すことによって滞在時間を短くすることができるというわけです。

お客様自体はBGMにそれほど関心を持って買い物をしているわけではありませんが、選曲如何で売上を高めることもできるし、売上を下げてしまうこともあり得ます。少し意識して聞いてみると店舗側の戦略が見えてくるかもしれません。