デジタルツインが産業にもたらす可能性
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デジタルツインとは、AIやAR、IoTといった技術を駆使して仮想空間に物理空間を再現すること。現実の世界観や環境を仮想空間に映し出す鏡のようなものと考えるとわかりやすいでしょう。このように、双子のような似た空間を作り出せることから、「デジタルツイン」と呼ばれるようになりました。
デジタルツインでは、AIやIoT技術などを使いリアルタイムで情報を得ることで、仮想空間上に世界を表現して様々なデータ収集・分析・シミュレーションを行うことができます。
これまでも仮想空間を作り出すことは可能でしたが、デジタルツインを導入することで、よりリアルタイムで空間の再現が可能となりました。
実はこうしたデジタルツインの導入はすでに行政や企業でも始まっています。
たとえば令和2年2月に発表された東京都の「スマート東京実施戦略」では、デジタルツインで作り出した仮想都市・東京における「自然・気象」、「インフラ」、「くらし・経済」などのデータをリアルタイムで把握することにより、都民のQOL(生活の質)向上に役立てる考えです。デジタルツインを、通常では実施が難しい分析やシミュレーションなどに活用し、現実空間にフィードバックすることが期待されています(参照URL: https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2020/02/07/documents/12_01a.pdf)。
企業においては、設備保全におけるエラーや故障のデータ収集や分析、品質の向上、経営や人員配置の効率化などへの活用が可能。仮想空間上で試作やトライ&エラーを繰り返すことにより、大幅なコストカットや時間削減、低リスク化を実現するツールとして有望視されているのです。