化学変化を起こせ!書店とのコラボレーションが商業施設にもたらす可能性
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電子書籍の普及などで紙媒体の売上が衰退傾向にある昨今、人々に長く愛されてきた大型書店が閉店することも増えてきました。こうした中、「書店×商業施設」・「書店×カフェ」・「書店×図書館」といったコラボレーションで生き残りをかけるニュータイプの書店に注目が集まっています。
とりわけ書店と商業施設のコラボは、カルチャーエンターテインメントを発信するスポットとして人気です。これらが一体化した施設では、一つの空間にいながら書籍以外にもセレクト雑貨やカフェ、グルメ、アート、エンターテインメントを楽しむことが可能となっています。それはもはや「書店」でも「商業施設」でもない、「ライフスタイル」そのものを提案する総合エンターテインメント施設と言っても過言ではないでしょう。
また集客力のある商業施設と書店のコラボは、多くの人々にブックカルチャーを普及できることも1つのメリットです。たとえば、これまで本や書店に興味が無かった顧客をカフェや雑貨といった新たな角度から呼び込むことで、本が持つ面白さや書店の価値を感じてもらうきっかけにも繋がります。
潜在的な顧客層を掘り起こし、書店や出版などが再び注目されるようになれば、紙媒体の売上回復に繋がる可能性もあり、停滞する書店・出版業界にとってニュータイプの書店はまさに希望の光だと言えます。このように見ると商業施設と書店のコラボレーションは、書店側にばかりメリットがあるように見受けられるのではないでしょうか。
しかし近年「ショッピング以外の付加価値」の提供が望まれる商業施設において、書店はカルチャー的要素を強めるための起爆剤として非常に期待されています。
実際、商業施設内に趣向を凝らした書店を設置したことで、
・自宅では味わえない非日常感が体験できる
・「集い」や「交流」の場所として利用できる
・ショッピングも読書もできて、丸一日楽しめる
と評判になるショッピングスポットも登場し始めているようです。
一定の集客力があると言われる商業施設でも、「新たな価値」を生み出し続けなければ顧客離れが進むのは必然。従来の手法では生き残りが厳しくなる中、商業施設が主体となって「官民一体型の図書館×書店」や「子育て支援施設×書店」、「屋上庭園×書店」など、オリジナリティのあるスポットを創り出すことが化学変化をもたらす大きな一歩となるに違いありません。