飲食店が商業施設に出店するメリット・デメリット

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連日多くの人で賑わう商業施設には、グルメ部門を担う飲食店の存在が欠かせません。

商業施設に飲食店があることにより、ショッピングと食事の両方を楽しみに来店する客を呼び込めたり、ショッピングの合間に食事を挟むことで施設の滞在時間を長くできる、といった利点があり、商業施設側と飲食店側の双方にメリットがあります。

一方で、費用がかかる、規制が厳しいなどのデメリットを感じる飲食店もあり、商業施設への出店を躊躇する飲食店があることも事実。

そこで今回は、商業施設に飲食店を出店する際のメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

飲食店が商業施設に出店するメリット

まず飲食店が商業施設に出店するメリットとしては以下の4つの特色があります。

立地が良い

商業施設は駅直結または街の中心エリアに位置する場合が多く、立地条件が良いのが何よりの魅力です。交通利便性が高いため、多くの顧客層にアプローチできるだけでなく天候の影響を受けにくい点もポイントです。

また郊外の商業施設は広大な敷地面積を誇るだけでなく大型駐車場が完備、遠方からも来館しやすいというメリットがあります。

集客力がある

豊富なジャンルの店舗を誇る商業施設では、顧客の様々なニーズに応えることが可能です。そのため友人同士やカップルのみならず、2世代・3世代での来館も多く、幅広い層に飲食店の存在をアピールできます。

店舗数の多い商業施設では、顧客の滞在時間が比較的長くなり、その場で食事を済ませてしまう顧客も多いため、路面店などで営業するよりも集客がしやすいと言えるでしょう。

実績の証明になる

商業施設に飲食店を出店する際には、売り上げが見込める店舗かどうか、商業施設全体にどのようなプラスイメージを与えられるかなどの項目を審査されます。すなわち出店の承認は「店のブランド力」を認められたという証になるということ。商業施設内で人気店舗となれば、2号店・3号店を出店する際に有利となる点も見逃せません。

客層が把握できる

各商業施設では集客したい「ターゲット」や「客層」が細かく設定されています。そのため飲食店を出店する際には、その商業施設に来館する客層をあらかじめ把握しておくことが可能。ターゲットに合わせた店舗デザインやメニューなどを考えやすいのがポイントです。

飲食店が商業施設に出店する際のデメリット

商業施設への飲食店の出店は一見するとメリットばかりのように感じられますが、その反面デメリットがあることも忘れてはなりません。

家賃制度の条件が厳しい

商業施設に入居するテナントは、売上歩合制で家賃を支払うのが一般的です。固定家賃を差し引いた売上がすべて手元に入るわけではないことを頭に入れておく必要があります。

売上金を得るまでにタイムラグが発生する

商業施設は「預り金精算方式」を採用するケースが一般的です。そのため飲食店の売上金は一旦運営会社に預けられ、家賃などの諸経費を差し引いた上で、翌月に振り込まれるというパターンが多くなっています。

出店当初はコストがかさむため、一刻も早く売上金を回収したいものですが、タイムラグが発生する場合もあり計画的な資金繰りを組む必要があります。

・販促や営業の制限がある

商業施設では、円滑な運営を行うために運営規則や営業時間が定められています。テナントとして入居すれば、強制的に施設の規則や営業時間に合わせることになるため、商業施設の運営方針と飲食店の経営方針がマッチしているかという点については事前に確認しておきましょう。

また商業施設で行っている販促やテナント研修、キャンペーンなどに半強制的に参加することになるので、従業員のオペレーションや教育・指導も必要です。

まとめ

このようにコストや制限といったデメリットはあるものの、飲食店にとって商業施設への出店は大変魅力的です。人気の商業施設でターゲットに合わせたグルメメニューを提供すれば、堅実な経営を維持できる可能性も高まります。 それゆえ空きテナントはすぐに埋まってしまうため、狙っている商業施設がある場合には物件情報を適宜確認し、出店がスムーズに 始められるよう準備を怠らないようにしましょう。