流行の最先端をゆく「ファッションビル」とは?
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トレンドをとらえたファッション専門店を主なテナントとするファッションビル。流行に敏感な若い女性をメインターゲットに、感度の高い消費者たちが集う「流行の発信地」として象徴的な存在になっています。
「ファッションビル」という言葉には明確な定義がないものの、一般的にはショッピングセンターの中でも衣料品を扱う割合の多い商業施設をファッションビルと呼ぶことが多いようです。
衣料品を扱う商業施設と聞くと、百貨店をイメージする方もいるかもしれませんが、ファッションビルと百貨店では「収益モデル」や「取り扱う商品」に明確な違いがあります。
【ファッションビル】
・若い女性が中心(※最近では男性をメインターゲットにしたファッションビルも存在する)
・固定家賃や売り上げ歩合を利益とする「不動産賃貸業」が収益モデル
・百貨店より安価な雑貨や洋服が売られるケースがほとんど
【百貨店】
・年齢層はやや高め(中年~)
・百貨店自ら商品を仕入れて企業の売り上げとする「小売業」が収益モデル
・専門バイヤーが目利きした比較的単価の高い「衣食住にまつわる幅広い商品」が並ぶ
またファッションビルでは、ビル自体のイメージ戦略や販促活動をファッションビル運営側が担っていることから、テナント選定においてはブランドごとに高いセンスが求められます。厳しい選考条件が定められていることによって、ファッションビル全体のイメージアップにもつながる相乗効果をもたらしているわけです。
さらに最近ではファッションビルの生き残りをかけ、アートなど文化的要素を組み込んだエンターテイメント性の高いコンテンツの提供を行う施設も増えてきています。
今後ファッションビルは、単なる流行の発信地に留まらず、時代の最先端を先取りする「魅力的な体験」の提供を通じて、今以上に付加価値を高めていくことが求められる存在になっていくことでしょう。