カリスマ販売員の今と昔

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バブル崩壊後の1990年代半ば、「子ギャル」という言葉が流行し、一大ファッションカルチャーが生まれたのをご存じですか?当時のアパレル店舗には1日数百万の売上を上げる「カリスマ店員」と呼ばれる販売員がおり、若い女子中高生などのアイコンとして人気を博していました。その中でも特に渋谷109は若者のメッカとして有名となり、販売力のあるカリスマ店員を集結させ、販売のしのぎを削っていたのです。 

中には店舗で接客をするだけでなく、雑誌にも登場し全国的な知名度を得たカリスマ店員もおり、その店員見たさに渋谷109に訪れる女子中高生も多かったとか。カリスマ店員が着ている服と同じものは飛ぶように売れるため、一日に何度も服を着替えて店頭に立ったという逸話もあるぐらい人気がありました。 

現在はネットショップでも服やアイテムを購入できるような時代に変わり、当時のようなカリスマ店員という言葉を聞くことはあまりなく、それに代わるものとして「インフルエンサー」が台頭し始めているようです。 

個人での情報発信が容易にできるようになった今、一定のSNSフォロワーがいるインフルエンサーに流行のファッションを身に着けてもらい自身のSNSに投稿してもらうことにより、フォロワー中心に販売増加につなげるという手法が定着。一方で、何千・何万人とフォロワーを獲得するような強い影響力を持つショップ店員もおり、自身および店舗のメディアとしてインスタグラムやYouTubeなどを活用しているケースも見受けられます。 

デジタル化の流れの中で、リアルな「カリスマ店員」という存在から、デジタルな「インフルエンサー」にアイコンは変わりつつあります。 

しかしながらその2つにおいて変わらないものがあるとしたら「ファッションを通して多くの人々に流行を伝え続ける」ということでしょう。時代は変わり名称が変わっても、モノを売るために必要なものの本質は不変なのです。