アパレルブランド×食品関連企業のコラボで生まれた「フードテキスタイル」

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近年、深刻な環境破壊への問題意識が世界的に高まり「サスティナブルなライフスタイル」が注目されるようになってきました。最近ではアパレル業界においても「環境に優しい」「ロハス」などをキーワードにしたブランド展開がトレンドとなりつつあります。その1つとして、環境意識の高い若者を中心に話題となっているのが「フードテキスタイル」です。 

「フードテキスタイル」はアパレル企業と食品関連企業のコラボレーションによって生まれました。規格外の農作物や、カットされた野菜の切れ端などのロスフードを原料にした染料で染められた生地を使って、アパレル商品を製作することで環境改善に大きく貢献できるのが特長となっており、たとえばコーヒー豆で「ブラウン」に染めたもの、桜から抽出した「ピンク」を素材に適用させた商品が実際に販売されています。 

これらの商品は、食品のリデュースを通して問題を解消するだけでなく、天然染料を使用により科学染料の使用を抑えられるため、環境にも肌にも優しい製品となっています。 

フードテキスタイルは環境問題の解決に一役買うだけでなく、食品関連企業とアパレル企業の双方にも大きなメリットがある点も見逃せません。 

食品業界にとっては、本来廃棄される予定だったロスフードを販売できるほか、食品を余すことなく販路につなげることが可能である一方、アパレル企業には、科学染料にない優しい風合いと色合いがあるフードテキスタイルの生地を使うことで、今までにはないデザインやインスピレーションがもたらされる可能性があります。 

さらにサスティナブルでエシカルな事業を展開し環境問題の改善に貢献することで、企業の信頼性獲得やイメージアップを図れるのもポイント。環境に優しいライフスタイルを好むヴィーガンやオーガニック愛好者をはじめとする顧客のニーズやトレンドにもマッチしていると言えるでしょう。 

最近では消費者が商品を選ぶ際の判断基準として、価格・デザインに加え「商品が作られた背景・想い」が重視される傾向にあります。そうした中、環境への優しさをテーマにしたコンセプトは、顧客の心を動かし、購買に繋げるための大きな要素の1つになるはずです。こうしたサスティナブルな取り組みは今後ますます増えるものと予想されており、環境に配慮した各業界の取り組みに目が離せません。